あらすじ(Wikiより)
近未来。地球は謎の侵略者「ギタイ」の度重なる襲撃により、壊滅状態に陥っていた。防衛軍は辛うじて彼らの侵略を食い止めていたが、敵の強大な戦力になす術も無く、戦死者は増える一方であった。対侵略者の決死の任務にあたっていたウィリアム・ケイジ少佐もまた、敵に何一つのダメージも与えられずに戦死してしまうものの、次の瞬間、彼は戦地に赴く前の時間に戻っていた。その後、何度か戦死し、また前の時間に戻ってしまう出来事が繰り返されるにつれ、ウィリアムは自分がタイムループに巻き込まれてしまっていることに気付く。やがて彼のもとに、自らも同じタイムループに巻き込まれていたという特殊部隊の軍人リタ・ヴラタスキが現れる。彼女と戦うにつれ、ウィリアムの戦闘技術は徐々に向上していった。こうして二人は終わりの無い戦いを繰り返す中で、少しずつ敵を倒す糸口をつかんでいくのだが…。
観るに至った経緯
とてもとても昔に原作を読んだことがあった。
2004年、たぶん初版だった。
この頃の自分はシリアス風ラノベにはまっていて、
トリニティ・ブラッドとか、Phantomとか。
Phantom執筆してたぶっちーもそうだが、
今では黒歴史と思ってやまない自分の読書遍歴が今になって身を結ぶのだから人生わからないものである。
ちなみにトリニティ・ブラッドは漫画版もアニメ版も別物だから読んではいけない。あのゴシック風の挿絵こそがトリニティ・ブラッドの世界観そのものである。
あのころ自分は外国でそれはそれは孤独な中学生活を送っていて、こういった小説を読むのが大好きだった。日本語の活字に飢えていたというよりも今思うと日本の若者文化に飢えていたのかもしれない。
父母が集めていてくれた本は数千冊を超えていて3年間かけて読破したけれど、若者風の匂いがするコンテンツだけが決定的に欠けていた。
話は戻る。
そういうわけでこの表紙であるだけで平積みされていたこの本は買う価値があった。
中身もろくに買ったこの本が自分の好みにガッチャしていたのだから特に印象が残っていた。
『All You Need Is Kill』が映画化されるという噂を耳にしたのは多分二年前、
桜坂洋原作『All You Need Is Kill』がハリウッドで映画化 主演はトム・クルーズ : ゲーハー黙示録
この記事が出た頃だ、と思う。なにぶんこれも昔の記憶なのであてにはならない。
ともかくずいぶん自分として期待に期待が重なった上での鑑賞だった。
長かった…
感想
端的にいってしまうと面白かっただった。
自分は小説版のあの青臭く甘酸っぱい結末のほうがやはり好みなんだなあと思い知らされた。とはいえ、まあまあと書いたのはいくつか面白かったところがあった。
繰り返しのギャグ化
原作のループ世界での成長の仕方はFPS的な上達の仕方だった。
何度も死ねるから、それだけ技術的に成長していく、という描かれ方で、これは漫画版でも共通している。
それが映画版では、「次にこれが来るからこう行動しよう」というようなトライ&エラーの方法に重点が置かれていた、ように思う。まあラノベや漫画と違ってあまり主人公を超人的に描くことができないからしょうがないかもしれない。
その繰り返しの様子がなんというか「スーパーマリオRPG」的だった。
「死ぬとリセットする」という様子は見ていて面白く、またやはりそれは観ている人も感じているようだった。
自分はこの映画を一人で見たけれども、映画を二人三人で見るコンテンツにするには繰り返しの要素をこういう風に使うべきなんだなぁと思った。
『まどか☆マギカ』、『バタフライ・エフェクト』、『ビューティフル・ドリーマー』、『STEINS;GATE』等々とループものは陰鬱な展開になりがちで、実は大衆映画には向かないジャンルだ。
『All You Need Is Kill』も原作も実は途中結構な鬱展開がある。
映画では最終的にキリヤもリタも生き残るのだけれども、原作ではだいぶ違う結末が待っている。まあそこら辺はネタバレしないでおく。
「鬱要素をどうしても内包せざるを得ないジャンルの作品をこういう風に作りかえるかあ」というところに結構序盤は感動していた。
「死んだら色々リセットする」というところに面白味を感じる作品は
くらいしか思いつかないのが底の浅さを感じます。
というわけで、一文でこの映画を観た感想をまとめてしまうと、
「日本のシリアスラノベをハリウッドが商業的にリメイクしてうまくいった映画で、原作とは完全に別物だったけど面白かったけれど、一人で観に行く映画ではなかった」
何人かで気軽に見に行くのがいいと思う。そしてラストシーンで侃々諤々のお話をすればよいと思う。
不満点
リタがかわいくない。強くない。
完全に講師役に徹していたので、ちょっと残念だった。しかももっとゾクゾクってするような強さを期待していたのに「あれ?マジでこの人広告塔としての役割だけしかしてないんじゃね?」ていう印象を持ってしまった。
原作はもう鬼神のような強さの描き方で厨二心をぐっとつかんでくれたからな…
ラストがよくわからなかった。
正直ラストシーンはよくわからなかった。
オール・ユー・ニード・イズ・キル/All You Need Is Kill 3ループ目
2Chスレでも同じような意見が多くて少し安心した。
やはりご都合主義でああいうラストになったなのかな…
補足
この映画を観た日に『渇き。』も観た。感想は後日書く…かな。
予告編で気になったのは『思い出のマーニー』『ゴジラ』この二つ。