おまえという花は誰かに観てもらうまで決して枯れようとしない

 

日常を袋詰めにして、海に捨てた罪 (コシーナ文庫)

日常を袋詰めにして、海に捨てた罪 (コシーナ文庫)

 

 間武。読み方すら知らないけれど、一読しただけで鬼才と思ってその本屋にある3冊をムむしりとっていったのは正解だった。

男と女の情事の様子の詩集だが、デカダンスな3行が100頁ある。タイトルもその一つ。

 

決して面と向かって人に勧めたりはできないし、所蔵しているのもなかなかばれたくはないけれど、タイトルに惹かれてこのレビューを読んだ人にはぜひ読んでもらいたい。

 

この『日常を~』は男と女の情事を描いているので刺激的な詩が多い。

誰かと電話をしていると。いつも

さりげなく俺の片手をとって

自分の頬にあてがうおまえ

 

某日 (コシーナ文庫)

某日 (コシーナ文庫)

 

 『某日』も一緒に購入したが、こちらは女学生の片思いの心らしき詩が好きだ。

愛する名を一息に

三十二回唱えられる

少女の健気な肺活量

 これなど言いようもなく胸が情景が思い浮かんでとてもいい。

 

『痴夢』も買ったけれど、こちらはそんなに良い心に響くものがなかったので割愛。

思いっきり精神的マスターベーション夢想できる本は貴重です。